「お前、年に1回開かれるトーナメントのことを知っているか?」
ある日の夜、看守が牢屋内に入ってきて、小さな声で訪ねてきた。
もちろん、あなたは何のことか知るよしもない。
「知らない。」
そう答えると、看守は数分の間、この務所内にて「トーナメント」なるものが開かれることを教えてくれた。
・「トーナメント」とは務所内の闘技場と呼ばれる場所で開催され、囚人同士の1対1で行われる。
・相手を殺す、または自分が死ぬ、ことでのみ、決闘は終了する。
・トーナメントを勝ち抜いた先には、能力のある軍人として、務所から出ることが許される。
・闘技場内には岩でできた大きな壁が30か所設置されている。
・両者は闘技場の両端から入場し、決闘が開始される。
・闘技場内にはどこかの壁の近くに銃が2丁だけ設置されている。
・壁の近くには罠が仕掛けられていることも多く、罠でも命を落とすこともある。
・相手よりも早く銃を手に入れ、銃を手に入れ次第、相手が銃を見つけるまでに仕留める、これがポイント。
要点を箇条書きにするとこうだ。
そもそもなぜこのようなことが行われているかというと
この国?世界?では一年で一番盛り上がる賭け事なのだそうだ。
誰が優勝するのか、何億単位の金が至る所で動くらしい。
そして、その挑戦者の囚人を選ぶのは看守であり、
看守1人につき、囚人1人を選出しなければならないというルールになっている。
看守によっては、普段から気に入らない囚人を選出し、消えてもらう、という具合にこのトーナメントを利用する者もいる。
囚人にとっては、多くの確率で命を落としてはしまうが、うまくいけば、この務所から、牢屋から抜け出せる、というチャンスでもある。
今あなたにトーナメントを教えてくれているこの看守は、
あなたにこのチャンスに乗るかどうか、ということを確認している。
あなたと仲が良くなってきているからこそ、
選択する権利は、あくまであなたにゆだねてくれている。
もし、あなたがこの危険な賭けにのるのであれば、あなたをトーナメントの挑戦者として選出し、
もし、あなたが賭けにのらないのであれば、他の嫌いな囚人を選出する、と言ってくれている。
この選択をどうするかで、間違いなく、あなたの人生は変わってしまう。
さて、、、
あなたはトーナメントにエントリーする?
しない?