トーナメント_6195

6195

 

 

「お前、年に1回開かれるトーナメントのことを知っているか?」

 

 

ある日の夜、看守が牢屋内に入ってきて、小さな声で訪ねてきた。

 

 

もちろん、あなたは何のことか知るよしもない。

 

 

「知らない。」

 

 

そう答えると、看守は数分の間、この務所内にて「トーナメント」なるものが開かれることを教えてくれた。

 

 

・「トーナメント」とは務所内の闘技場と呼ばれる場所で開催され、囚人同士の1対1で行われる。

・相手を殺す、または自分が死ぬ、ことでのみ、決闘は終了する。

・トーナメントを勝ち抜いた先には、能力のある軍人として、務所から出ることが許される。

・闘技場内には岩でできた大きな壁が30か所設置されている。

・両者は闘技場の両端から入場し、決闘が開始される。

・闘技場内にはどこかの壁の近くに銃が2丁だけ設置されている。

・壁の近くには罠が仕掛けられていることも多く、罠でも命を落とすこともある。

相手よりも早く銃を手に入れ、銃を手に入れ次第、相手が銃を見つけるまでに仕留める、これがポイント。

 

 

要点を箇条書きにするとこうだ。

 

 

そもそもなぜこのようなことが行われているかというと

 

 

この国?世界?では一年で一番盛り上がる賭け事なのだそうだ。

 

 

誰が優勝するのか、何億単位の金が至る所で動くらしい。

 

 

そして、その挑戦者の囚人を選ぶのは看守であり、

 

 

看守1人につき、囚人1人を選出しなければならないというルールになっている。

 

 

看守によっては、普段から気に入らない囚人を選出し、消えてもらう、という具合にこのトーナメントを利用する者もいる。

 

 

囚人にとっては、多くの確率で命を落としてはしまうが、うまくいけば、この務所から、牢屋から抜け出せる、というチャンスでもある。

 

 

今あなたにトーナメントを教えてくれているこの看守は、

 

 

あなたにこのチャンスに乗るかどうか、ということを確認している。

 

 

あなたと仲が良くなってきているからこそ、

 

 

選択する権利は、あくまであなたにゆだねてくれている。

 

 

もし、あなたがこの危険な賭けにのるのであれば、あなたをトーナメントの挑戦者として選出し、

 

 

もし、あなたが賭けにのらないのであれば、他の嫌いな囚人を選出する、と言ってくれている。

 

 

この選択をどうするかで、間違いなく、あなたの人生は変わってしまう。

 

 

さて、、、

 

 

あなたはトーナメントにエントリーする?

 

 

しない?