軍隊の車の下に隠れる_3089

3089

 

 

あなたは軍隊の車が保管してある車庫が

 

 

夕方は鍵が開いた状態になっている、ということを知っていた。

 

 

務所内にやってくる軍人も夕方は夕飯を食堂にて食べるのだが、

 

 

夕飯時にはなぜか車庫の鍵を閉めないことが多い。

 

 

昼間の訓練が大変なようで、

 

 

食事にありつけるという嬉しさと、疲労とで

 

 

注意力がなくなっているようだ。

 

 

軍人たちは、夕食を食べ終わると、軍の車にてそれぞれの自宅まで送り届けられる。

 

 

運転手を担当している者は、乗員すべてを自宅に届けた後、軍の基地に車を届け、最後に自分の自宅へ帰宅する、と聞いたことがある。

 

 

 

あなたは誰にも会わないように車庫の前まで静かに移動し

 

 

ドアの鍵が閉まっていないか確認した。

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

開いている。

 

 

 

 

 

よし!しかし、中に誰か残っている可能性はある。

 

 

 

静かに、少しずつ戸を開け

 

 

 

中を確認する、、、

 

 

 

よし、誰もいないようだ。

 

 

 

 

車は2台あるが、手前側の車の下に隠れることとした。

 

 

 

車の下に捕まった状態にて、車が発進さえしてしまえば

 

 

あなたは誰にもバレずに外へ出られるはずだ。

 

 

 

発進するまでが勝負だ。

 

 

 

あなたは車の下に隠れた。

 

 

うまい具合に、車下部に手足をかけられる突起部分を見つけた。

 

 

これだけしっかり手足を引っ掛けることができれば

 

 

1時間ほどは車に捕まっていられそうだ。

 

 

車が発進するまで、車の下で物音を立てないように静かに待機した。

 

 

30分ほどが経過したころ

 

 

・・・足音が聞こえる。

 

 

 

軍人たちが戻ってきたようだ。

 

 

 

見つかるわけにはいかない。

 

 

息を殺して物音を立てないようにした。

 

 

談笑しながら軍人たちは車に乗り込んだ。

 

 

全員が車に乗り込んだ後、すぐさま車のエンジンがかかった。

 

 

心臓の脈が速くなるのがわかる。

 

 

ついにこの瞬間がきた。

 

 

あなたは音をたてないように、手足を車下部の突起物にかけた。

 

 

車がゆっくりと動き出した。

 

 

うまくいった。

 

 

務所の建屋を車は出て、務所の門までやってきた。

 

 

見つからないかと心配したが

 

 

まさか走っている車の下に人がくっついているとは誰も思わない。

 

 

守衛ですらも気づかずに務所を出ることができた。

 

 

あなたはこの時点で脱獄に成功した。

 

 

車はスピードを上げながらもどんどん進んだ。

 

 

周りもうす暗くなり始めてはしるが、まだ明かりなしでも辺りは確認できる。

 

 

車は田舎道を進んでいる。

 

 

田舎道は直線がずっと続いているようだが、

 

 

道の左右が草むらとなっており、身を隠すには十分のようだ。

  

 

直感的に、仮に今降りたとして、気づかれたとしても

 

 

軍人たちを撒けるだろうという自信はある。

 

 

さてあなたはどうする?