田舎道で降りる_2589

2589

 

 

あなたはこの田舎道で軍の車から降りることにした。

 

 

とはいえ、走っている車から降りるのだから

 

 

それなりの音はなるかもしれない。

 

 

車に乗っている軍人たちに気づかれるかもしれない。

 

 

しかし、もし気づかれたとしても道の左右は茂みだ。

 

 

身はどうとでも隠せる。

 

 

降りたことに気づかれない可能性だっておおいにある。

 

 

あなたは車の進行方向に何もないことを確認し、

 

 

車下部の突起部から手足を少し外し、いつでも降りれる準備をした。

 

 

あと、3、数えたら手足を離そう。

 

 

 

3

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

よし!

 

 

 

 

 

 

あなたは手足を離し、車から地面に落ちた。

 

 

 

ザザザザッッーーー!!

 

 

 

という音と共にあなたは車から降りた。

 

 

車はそれなりのスピードを出していたため、

 

 

地面を滑る形となり、あなたの背中に摩擦による激痛が走った。

 

 

しかし、そんなことを気にしている余裕などない。

 

 

軍人たちが気づき、捕獲しにくるかもしれない。

 

 

 

あなたは素早く左側の茂みの中に身を隠した。

 

 

身を隠し、しばらく静止し、耳に全神経を集中させた。

 

 

車が進む音がする。

 

 

・・・

 

 

止まる音はしない。

 

 

茂みから見つからないように目視で確認することにした。

 

 

行ってしまった。

 

 

よし。

 

 

よし!

 

 

よーし!!

 

 

 

あなたはとりあえず、現時点では脱獄に成功したようだ。

 

 

自由の身になった。

 

 

とはいえ、地理もわからない田舎道に放り出された状態なので

 

 

どこへ進んだらいいのかもわからない。

 

 

とりあえず、今いる田舎道は1本道で見通しがよく、

 

 

前後どちらから車が来たとしても

 

 

茂みにすぐ身を隠すことができる。

 

 

なので、この田舎道をもっと進んでみることにした。

 

 

先が少しカーブしていて、茂みも背が高いので、どこまでこの道が続いているのかは不明だが

 

 

とりあえず、歩き続けた。

 

 

 

・・・

 

 

 

 

1㎞ほど歩いたころ

 

 

 

 

 ガサガサッ !!

 

 

 

と前方の茂みから何かが出てきた。

 

 

 

とても驚いたあなたはすぐさま茂みに飛び込んだ。

 

 

何かわからない、しかし、何かが飛び出してきた。

 

 

足音がする。

 

 

しかし人間の足音ではない。

 

 

 サクッ サクッ

 

 

やはり人間の足音ではない。

 

 

茂みから静かにのぞいてみると

 

 

鳥?だ。 大きくはない。

 

 

大きさは1Mもない。

 

 

鳥?にしては2足歩行でしっかり歩いている。

 

 

羽?手?の先には爪?のようなものが付いている。

 

 

 

よくわからないが強そうではない。

 

 

 

よくわからないそいつは、あなたのいる場所へ向かってきているようだ。

 

 

茂みの中をそいつから離れるように進むが

 

 

 

その鳥?のようなものはやはりあなたの方へむかってくる。

 

 

 

数十メートルの距離は離れていた。

 

 

 

しばらくはそのまま、進んでいたが、

 

 

 

やはり追われている、というのは気持ちのいいものではない。

 

 

 

よくわからないが、小さい生物だ。

 

 

あなたの方が体格は2倍ほどある。

 

 

 

威嚇すれば逃げるだろうとあなたは考えた。

 

 

 

進路を変え、あのよくわからない鳥?の方向へ進んだ。

 

 

 

みるみる距離は近づき、

 

 

あなたは茂みの中で、そいつと対面した。

 

 

やはり小さい。

 

 

ほぼ鳥ということで言い表せることができるが、

 

 

2足歩行しており、手?羽?の先に大きな爪のようなものがついている。

 

 

あなたがとりあえず威嚇しようと、

 

 

両手を上に広げ、自分をより大きく見せ、

 

 

腹の底からの大きな声で

 

 

「オ‘‘ オ‘‘ オ‘‘ ォォ!!!!!!」

 

 

 

と大声を出した瞬間、

 

 

 

その目の前の鳥のようなものは

 

 

あなたとの間合いを瞬間的に詰め、

 

 

手の先の爪のようなものを、あなたの右足にむかって振りかざした。

 

 

その瞬間、あなたの右足はあなたの体から切り離され、

 

 

あなたはバランスを崩し、地面にたたきつけられた。

 

 

たたきつけられたあなたは、

 

 

自分の状況が理解できる間もなく、

 

 

 

 

再度、その鳥のようなものが近づいてくるのが目に入ったが

 

 

 

 

 

次の瞬間には

 

 

 

 

 

意識というものもなくなってしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BAD END