あなたはよく考え、エントリーすることに決めた。
動かなければ、この牢屋生活から抜け出すことはできない。
もしかしたら、命を落とすかもしれない。
しかし、挑戦するだけの価値はある。
負けることは許されない。
看守は大きくうなずき、牢屋から出ていった。
それから数日間、あなたは牢屋内にて
静かに、できるだけ余計なことは考えないように過ごした。
数日たち、あの看守から牢屋の格子越しに封筒を渡された。
トーナメントの初戦の日時、対戦相手のことが簡単に記載してある。
あなたのトーナメント初戦は今から1週間後、
対戦相手は名前を「ラーメス」というそうだ。
年齢は46歳。決して身軽な年齢ではないはず。勝機はある。
ここまできたら根拠のない自信を胸に挑むだけである。
翌日、それとなく看守に相手の「ラーメス」の情報を教えてもらった。
元公務員で事務員だったそうだ。
体型も大きく、決して身軽に動けるような人物ではない。
初戦の相手にしては運がいい。
だが、初戦に勝利する、ということは
相手を殺す、ということ。
気持ちの整理が1週間でつくはずもなく、
モヤモヤした気持ちは残りつつも
あなたは決戦の日を迎えることになった。