あなたは目が覚めた。
いつもの自分の部屋ではない。
昨晩も自分の部屋のベッドで寝る直前までスマホでSNSを確認して、そのまま寝落ちしたはずだ。
わけがわからず上半身だけを起こした。
自分は簡易なベッドの上で寝ていたようだ。
周りを見渡すと天井、壁、床、すべてが灰色のコンクリートでできている部屋だとわかった。
正面には格子の檻がある。
簡易なベッドの他には、トイレ、洗面台、机、イス、、、以上。
どれも綺麗ではない。
この環境から判断するに、これは牢屋だとわかる。
わけがわからない。
いつものようにお気に入りのバンドのライブTシャツと、半ズボンで寝ていたはずだ。
しかし、今着ているのは無地のオレンジの長袖、長ズボン。
こんな服は持っていないし、着た記憶もない。
落ち着いて、とりあえず落ち着いて考えても
この状況は刑務所の中にいるということは間違いない。
意味はわからない。
だが、事実なのだからしょうがない。
物音がまったくしていない。とても静かでそれがまた怖い。
音を出すのは身の危険を感じる。
窓も時計もないので、今が何時なのかも検討がつかない。
おそらく夜中なのではないだろうか。
ベッドの下に靴が置いてあった。
静かに靴を履き、格子の方へ向かった。
格子から見えるだけの景色から想像するに
この牢屋前の直線上の廊下の両端に
ずらっと牢屋が隣り合っていくつも並んでいるようだ。
廊下、及び牢屋の中は暗いため、
人がいることは確認できなかった。
あと、確認できること、、、
机とイスは木でできている。
使い古してあるものの、普通に使える状態ではある。
トイレは便座のみのもので、レバーが付いている。
洗面台には蛇口がついている。
・・・
以上、、、今確認できることはすべておこなった。
わけはわからない、がもう一度、
とりあえずもう一度、ベッドに横になった。